「デイトジャスト」は、ロレックスの中でも圧倒的な人気と知名度を誇るロングセラーモデルとして認知されています。
1945年にロレックスの代名詞ともいえる「オイスターケース」、「パーペチュアル機構」、さらにダイヤルの3時位置にデイト表示を備えた世界初の画期的な腕時計として誕生しました。1956年には、デイト表示が瞬時に切り替わる「デイトジャスト機構」を搭載し、「ロレックス3大発明」の全てが集約されたモデルです。
また、デイトジャストの魅力を語るのに欠かせないのは、多彩なバリエーション展開です。着用シーンや、デザイン、価格などたくさんの選択肢があるのがポイントです。また、ヴィンテージにも人気モデルが存在します。こちらの記事が、これからデイトジャストの購入を検討している方の参考になれば幸いです。
今さら聞けない デイトジャスト【三大発明】
デイトジャストは普段使いに適したスタンダードを極めたロレックスです。それはデイトジャストに備わった「ロレックスの三大発明」が搭載されているからです。
冒頭でも触れましたが、三大発明とは「オイスターケース」「パーペチュアル機構」「デイトジャスト機構」というロレックスが時計業界そのものに影響をもたらした発明です。それぞれの特徴について説明していきます。
オイスターケース
オイスターケースが発表されたのは、1926年。防水性を高めるために考案され、「牡蠣(オイスター)の殻のように堅牢な時計のケース」を意味します。かつてイギリスの女性記者がオイスターケースのロレックスを身に着けてイギリス海峡を横断したことからも、ロレックスのオイスターケースの高い防水性能が実証されています。
また、オイスターケースはねじ込み式の裏蓋とねじ込み式のリューズによって、高い性能を持っていました。もちろん今ではこういった防水ケースは当たり前になっています。しかし、1920年代においてこのケースを使用できるのはロレックスしかありませんでした。他のメーカーが防水性の高いケースを作れるようになったのは、ケースに使う防水パッキンが進化した60年代以降の話です。
パーペチュアル機構
ロレックスは完全防水機能を実現すべく、オイスターケースやネジ込みリュウズの開発に成功しました。しかしながら、これら2つの機構をあわせ持ってしても”完全防水”において重大な欠点がありました。開発当時はまだ手巻式腕時計が一般的で、時計が止まるたびにゼンマイを巻く必要があったので、ゼンマイを巻いた後ねじ込み式のリューズを閉め忘れ浸水するというケースが続出しました。
こうした問題に対処すべくロレックスが作り上げたのが「パーペチュアル機構」というゼンマイを巻く必要がない自動巻機能です。時計を腕に着けて日常生活を送るだけでゼンマイが巻かれ、時計が止まるまでの時間を限りなく長くする事に成功しました。自動巻き機構(=パーペチュアル機構)になったことで、リューズでの手巻き操作の必要性がなくなり、ねじ込み忘れが防げるようになりました。この発明は1932年に特許申請、翌年の1933年に認可されて機械式腕時計の原点となりました。
デイトジャスト機構
現在ではよく見かける腕時計の日付窓ですが、これは1950年代半ば頃にデイトジャストで初めて採用されたものです。ロレックスでは、1945年に販売されたモデルで、初めて小窓に日付が入っていたとされています。
以前は、ポインターデイトと呼ばれる文字板の外周にある日付を針で表示していましたが、視認しにくいというデメリットがありました。しかしデイトジャストの誕生によって、一目で簡単に日付が分かるようになったのです。当初その日付け表示は、午前0時のかなり前から徐々に時間をかけて切り替わる仕組みのものでした。
ロレックス創業者のハンス・ウィルスドルフが、「カメラのシャッターのように瞬間的に日付けを切り替えられる機構を作りたい」と技術者に提案したことから開発が始まりで、その名の通り深夜0時(前後5分程度は許容)に日付が瞬時に切り変わります。左手首に着けたときに袖口から確認しやすいようにと、3時位置の小窓に日付を表示させたスタイル。当時の時計業界に与えた影響は多大なものでした。
デイトジャストの正式名称は、オイスターケース・パーペチュアル・デイトジャストこれら3つの発明を全て搭載した初めてのモデルということで「オイスター・パーペチュアル・デイトジャスト」です。まさに“世界の腕時計のベース”ともいえるモデルというわけです。
デイトジャストモデルの歴史
デイトジャストは、マイナーチェンジを繰り返しながら現役モデルとして製造されています。70年以上経った現在でも続いているロングセラーモデルです。ここまで長く継続するモデルになった理由はいくつか考察できます。
1つめは、ロレックスが同じモデルをブラッシュアップさせて継続させる戦略をとっているということです。次に、デイトジャストは普遍的なデザインであるということも大きいでしょう。ロレックスは早い段階から水に強い「金属」に着目してきました。
高い防水性を売りにしてきたロレックスなので、汗や雨などで劣化してしまう皮バンドではなく、長く使用できる金属ブレスレットに移行していくのは自然な流れですね。金属ブレスレットの中でも多くのデイトジャストにはその実用性プラス、エレガントな印象も与えるジュビリーブレスを採用し、風防周りにはフルーテッドベゼルといった華やかなデザインも取り入れています。
デイトジャストは日付表示窓と合わせる基本的なデザインは長年変わることはなく、ひと目でロレックスと分かるデザインが魅力的です。「実用性と高級感」を兼ね備えています。基本的なデザインが変わらないので、その価値が大きく下がるということはないモデルです。それでは「デイトジャストの歴史」を紐解いていきましょう。
デイトジャストの歴史
ロレックス史においても、デイトジャストの誕生と進化は大きな出来事と言えます。デイトジャストを中心に新モデルや新たな機構について年表形式でご紹介します。
1940年代 | ロレックスがこれまでに開発してきた代表的な機構であるオイスターケース(1926年)とパーペチュアル機構(1931年)を集約し、さらにデイト表示を搭載した 「初代デイトジャスト Ref. 4467」を1945年頃に発表。 |
1950年代 |
1955年頃、後に「ロレックス3大発明」の1つに数えられることとなる、「デイトジャスト機構」が開発される。デイトジャスト機構は深夜0時頃、日付表示が切り替わる機構であり、当時の最先端技術を集約し、かつ実用性を追求したロレックスの姿勢が反映されている。 1956年頃、アメリカ空軍のアクロバットチーム「サンダーバーズ」の記念モデルとして、「初代サンダーバード Ref.6309」が誕生。 その他にRef. 6075、Ref. 6105、Ref. 6035、Ref. 6305、Ref. 6605を発表した。 |
1960年代 | Ref. 1601を発表。 この頃からオールステンレスモデルをラインナップに加え、これまでより低価格で多くの人の手にロレックスが届けられたとされる。 |
1970年代 | 1977年頃、Ref. 16014を発表。 カレンダーの早送り機能が搭載され、より実用的な高級時計となる。 |
1980年代 | 1988年頃、Ref. 16200、Ref. 16233、Ref 16234を発表。 風防がプラスチックからサファイヤクリスタルへ変更、防水性能も50mから100mとなる。 |
2000年代 | 2004年頃、Ref.116233を発表。 ブレスの中央部分のコマが中空から無垢へ変更され、より高級感あふれる仕様に。バックルが目立たない「コンシールドクラスプ」を採用し、デザイン性を向上。 2005年頃、Ref.116231、Ref.116234を発表。 2006年頃、Ref. 116200を発表。 |
2010年代 | 2016年頃、Ref. 126331を発表。 新型ムーブメントCal.3235を搭載し、パワーリザーブも70時間となる。カレンダーの早送りをどの時間帯でも行えるようになり、実用性と操作性を向上した高級機のスタンダードとして進化。 2017年頃、Ref. 126300、Ref. 126333、Ref. 126334を発表。 2018年頃、Ref. 126201、Ref. 126203、Ref. 126231、Ref. 126233を発表。 2019年頃、Ref. 126200、Ref. 126234を発表。 |
こうして誕生したデイトジャストは、後世の腕時計に技術的にもデザイン的にも多大な影響を及ぼす不朽の名作となりました。その後も時代とともに改良が加えられ、長い歳月の中でモダナイズされてきたデイトジャストですが、そのスタイリングには今もなお、伝統的なクラシックデザインが宿っています。
年表からも分かる通り、デイトジャストには多くのヴィンテージモデルが存在します。ヴィンテージモデルのバリエーションのロレックス随一となりますので、別の記事で紹介させていただきます。こちらもぜひ。
【ロレックスデイトジャスト ヴィンテージとポストヴィンテージの魅力について紹介!】
歴代のデイトジャスト・その系譜
誕生してから現代まで進化を続けているデイトジャスト。歴代のデイトジャストやその系譜について、大きな変化を抜粋してご紹介いたします。
■Ref.4467 (製造期間 1940年代)
デイトジャストの歴史をスタートさせた、初代デイトジャスト。ムーブメントはCal.A285を搭載。
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■Ref.6075 (製造期間 1950年代)
ムーブメントはCal.740を搭載。
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■Ref.6105 / Ref.6035 (製造期間 1950年代)
ムーブメントはCal.745を搭載。
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■Ref.6305 / Ref.6605 (製造期間 1950年代)
ムーブメントはCal.1036を搭載。
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■Ref.1601 (製造期間 1960年代~1970年代後半)
精度と耐久性のバランスが取れた傑作ムーブメントCal.1570を搭載。この頃からオールステンレスモデルをラインナップに加え、これまでより低価格で多くの人の手にロレックスが届けられたとされる。まだ、この当時はカレンダーの早送り機能は未搭載。
ホワイトゴールドとステンレスのコンビモデルであり、ベゼルのみホワイトゴールドでブレスはオールステンレス。
プラスチック風防と程よく焼けた文字盤がヴィンテージロレックスにふさわしいモデル。
ここでは紹介していませんが、Ref.1603というオールステンレスモデルもあります。
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■Ref.16014 (製造期間 1977年頃~1988年頃)
ムーブメントCal.3035を搭載することにより、本機より8振動のハイビートとなりました。
カレンダーの早送り機能が搭載され、より実用的な高級時計へ。ブラスチック風防最後のモデルです。
ホワイトゴールドとステンレスのコンビモデル。
ベゼルのみホワイトゴールドでブレスはオールステンレス。美しいカッティングが施された18Kホワイトゴールド製のフルーテッドベゼルを搭載するヴィンテージデイトジャストではポピュラーなモデルです。
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■Ref.16200 (製造期間 1988年頃~2006年)
テンプはツインブリッジのより耐震性に強いCal.3135が搭載されました。また風防にはサファイアクリスタルへ変更され、機密性も向上し100m防水へ。
同じ年代にベゼルが18金イエローゴールドコンビモデルのRef.16233 も誕生。ホワイトゴールドコンビモデルのRef.16234 も誕生しています。見た目もモダンな印象になりました。
オールステンレス仕様の旧型デイトジャスト。
基本的にはオイスターブレスが搭載されていて、デイトジャストの中でもスポーティーな印象のモデル。
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■Ref.16233 (製造期間 1988年頃~2006年頃)
テンプはツインブリッジのより耐震性に強いCal.3135が搭載されました。また、風防にはサファイアクリスタルへ変更され、機密性も向上し100m防水へ。
・Ref.16233G
イエローゴールド×ステンレススティールのコンビモデル。
定番のフルーテッドベゼルを搭載、イエローゴールドとシャンパン文字盤の組み合わせが統一感あり、10Pダイヤをセットすることで高級感のあるモデルになっている。
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■Ref.16234 (製造期間 1988年頃~2006年頃)
テンプはツインブリッジのより耐震性に強いCal.3135が搭載されました。また、風防にはサファイアクリスタルへ変更され、機密性も向上し100m防水へ。
・Ref.16234G
ホワイトゴールド×ステンレススチールのコンビモデル。
16233とは異なり、ベゼルのみホワイトゴールドでブレスはオールステンレス。通称「ブルグラもしくは青グラ」と呼ばれるブルーグラデーション文字盤が美しいモデル。
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■Ref.116233 (製造期間 2004年頃~2018年頃)
搭載ムーブメントは前作と同じCal.3135で変わりませんが、ブレスの中央部分のコマが中空から無垢へ変更され、より高級感あふれる仕様に。特にジュビリーブレスのバックルは、コンシールドクラスプ(右下写真)と呼ばれるバックルの目立たない作りとなり、高級感とデザイン性が向上しました。
・Ref.116233NG
イエローゴールド×ステンレススティールのコンビモデル。
10Pのシェルダイヤが美しいモデル。無垢コマに変わったことでかなり重厚感がと高級感が増しました。コンシールドブレスへ変更したことでブレスのつなぎ目がわかりづらくなり、すっきりとした印象になりました。
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■Ref.116234 (製造期間 2005年頃~2019年頃)
搭載ムーブメントは前作と同じCal.3135で変わりませんが、ブレスの中央部分のコマが中空から無垢へ変更され、より高級感あふれる仕様に。特にジュビリーブレスのバックルは、コンシールドクラスプ(右下写真)と呼ばれるバックルの目立たない作りとなり、高級感とデザイン性が向上しました。
同時期にエバーローズゴールド×ステンレススティールのコンビモデルRef.116231も誕生しています。
・Ref.116234G
ホワイトゴールド×ステンレススチールのコンビモデル。
116233とは異なり、ベゼルのみホワイトゴールドでブレスはオールステンレス。
ブルーの彫りコンピューター文字盤とステンレスのシルバーの組み合わせが非常に清潔感のあるモデル。
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■Ref.116231 (製造期間 2005年頃~2018年頃)
エバーローズゴールド×ステンレススティールとのコンビモデル。Cal.3135を搭載。
フラワーモチーフをチョコレートダイアルにあしらったキュートなモデル。6時と9時のアラビアインデックスにはダイヤモンドがセッティングされており、素材のエバーローズゴールドと相まって、高級感あふれる華やかなデザインに仕上がっています。
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■Ref.116200 (製造期間 2006年頃~2019年頃)
Cal.3135を搭載したオールステンレスモデルのRef.16200の後続モデル。コンビモデルとは違い、フルーテッドベゼルはラインナップにはありません。中空ブレスから無垢ブレスへ変更されたことにより、非常に重厚感と高級感が増しました。特にブレスレットの種類はオイスターブレスとの相性が良く、流通量もオイスターブレス仕様が多いです。
オールステンレス素材と相性の良いオイスターブレスを搭載し、非常にスポーティーなモデル。
また、ブラックのサンビーム文字盤がクール且つ、合わせやすいモデルとなっています。
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■Ref.126331 (製造期間 2016年~現在)
大型の41mm径ケースに新ムーブメントCal.3235を搭載して誕生したデイトジャスト41の現行モデル。41mmサイズのデイトジャストでは初めてピンクゴールドが採用され選択肢の幅が広がりました。Cal.3235の搭載により、パワーリザーブも70時間となり、。カレンダーの早送りをどの時間帯でも行えるようになり、実用性と操作性を向上した高級機のスタンダードとして進化しています。
同時期にイエローゴールド×ステンレススティールコンビモデルのRef.126333も誕生しています。
エバーローズゴールド×ステンレススチールのコンビモデル。
グリーンローマの文字盤が非常に人気のあるモデル。エバーローズは肌なじみが良く、合わせやすいゴールド素材となります。
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■Ref.126333 (製造期間 2017年 ~ 現在)
■Ref.126334 (製造期間 2017年 ~ 現在)
デイトジャスト41のステンレス×ホワイトゴールドコンビモデルが誕生。デザインが一新されたケースはフラットかつスリムな形状になりました。Cal.3235の搭載により、他の12品番のデイトジャスト同様、実用性と操作性を向上した高級機のスタンダードとして進化しています。
同時期にステンレスモデルの【Ref.126300】も誕生しています。
ホワイトゴールド×ステンレススティールモデル。
ロレックスのコーポレートカラーでもあるグリーンを採用し、
立体感のあるフルーテッドモチーフ文字盤が非常にかっこいいモデルです。
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■Ref.126300 (製造期間 2017年 ~ 現在)
オールステンレスのオイスターブレスがこちらもまたスポーティなモデルですが、
116200(36mm)よりもかなり大きくなるのでさらにカジュアルな印象になります。
光沢感のあるグレーの文字盤は汎用性が高く人気のモデルです。
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■Ref.126231 (製造期間 2018年 ~ 現在)
伝統の36mm径ケースにデイトジャスト41と同じく新世代ムーブメントを搭載して登場したデイトジャスト36。
フルーテッドベゼルを備えたケースは、サイドとラグのシルエットがよりスリムになっています。(右下写真)
また、新型のCal.3235搭載され、高い耐磁・耐衝撃性と約70時間のパワーリザーブ、日差±2秒の高精度を実現しています。
同時期にオールステンレスモデルのRef.126200、ステンレス×イエローゴールドのコンビモデルRef.126233や、ステンレス×ピンクゴールドコンビでドームベゼルのモデルRef.126201、ステンレス×イエローゴールドのコンビモデルRef.126203も誕生しています。
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■Ref.126233 (製造期間 2018年 ~ 現在)
ステンレススティールとイエローゴールドとのコンビモデル。
現行モデルから搭載されるようになったパーム文字盤。イエローゴールドと文字盤のシャンパン色味に統一感があり、大人の色気を感じるモデルです。
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■Ref.126201 (製造期間 2018年 ~ 現在)
ステンレススティールとエバーローズゴールドのコンビモデル。
インデックスの9時位置「IX」と6時位置「VI」にダイヤモンドをセッティングした優美で華やかな一本。ふくらみのあるドームベゼル(右上写真)に、エバーローズの色味自体も肌なじみが良いのですね。
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■Ref.126203 (製造期間 2018年 ~ 現在)
ステンレススティールとイエローゴールドのコンビモデル。
先に紹介した126201と同様、インデックスの9時位置「IX」と6時位置「VI」にダイヤモンドをセッティングしイエローゴールドと文字盤のグリーンの程よいコントラストが美しいモデルです。
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■Ref.126234 (製造期間 2019年 ~ 現在)
デイトジャスト36のホワイトゴールドのコンビモデルのが誕生。スペックはデイトジャスト36と同様で新型のCal.3235を採用。高い耐磁・耐衝撃性と約70時間のパワーリザーブ、日差±2秒の高精度を実現しています。
同時期にステンレスモデル【Ref.126200】も誕生しています。
ステンレススティール×ホワイトゴールド(ベゼルのみ)のコンビモデル
オーベルジーヌの紫の色味が非常に綺麗で、インデックスの「IX」と「VI」に配置されたダイヤモンドと相まって神秘的なモデルとなっています。
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■Ref.126200 (製造期間 2019年 ~ 現在)
オールステンレススモデルながら、ジュビリーブレスをセットし、オイスターブレスよりもかなり上品な印象のモデル。グリーンの文字盤は同モデルの中でもかなり人気のあるモデルとなっています。
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デイトジャストの種類
デイトジャストの大きな魅力の一つは、バリエーションの豊富さです。ケースサイズや素材、文字盤の種類が豊富にあり、組み合わせによって印象は大きく変わります。ここでは一旦普段使いしやすいモデルとデイトジャストらしいモデルを一部紹介したいと思います。
■Ref.126233G シルバー/彫りコンピューター
スペック
素材:ステンレススティール×イエローゴールド
ケースサイズ:36mm
こちらはジュビリーブレスとフルーテッドベゼルの組み合わせがザ・デイトジャストというモデルです。文字盤の模様はコンピューターグラフィックによって作成されたもので、通称「ホリコン」と呼ばれています。ロレックスのロゴがパターン化された独自の文字盤で、昔からよく見る定番の装飾です。
インデックスに10Pダイヤをセッティングし、ジュビリーブレスを採用することでラグジュアリーな雰囲気を演出しています。パーティーなどのお呼ばれでもこのくらい華やかなロレックスであれば素敵な時間を過ごせること間違いなしです。
■Ref.116200 ブラック/バー
スペック
素材:ステンレススティール
ケースサイズ:36mm
オールステンレスモデル。ブラックダイアルにバーインデックスを組み合わせたクールな顔立ちが美しいモデルです。強度とデザインを両立したオイスターブレスや、視認性を高めるために太くなった針、緩やかに盛り上がったドーム型のベゼルなど、旧型と比べより実用性が高められているモデルです。シンプルなデザインなので普段使いからフォーマルまで幅広く着用することができるので重宝する一本です。
因みにこのモデルの日付は「赤/黒」と交互に色が変わり日付を表示ます。
デイトジャストの種類は、素材やブレス、文字盤の組み合わせなど考えると、数えきれないくらいのバリエーションがあります。デイトジャストのモデル別についてご紹介している記事もありますので、興味がある方は、そちらもあわせてご覧になってみてください。
【どんなデザインがあるの?ロレックスデイトジャストのバリエーション徹底解説!!】
リファレンスナンバーの見方・その意味
ロレックスはデイトジャスト以外でも数多くの種類があり、それぞれにリファレンスナンバー(型番)があります。リファレンスナンバー(通称:Ref番号)は時計のモデル、ベゼル、ケース素材を表しており、読み方を理解していれば種類や相場感を調べるのが便利になります。リファレンスナンバーの見方とその意味について説明します。
上記のRef.126234を例にすると、
1~4桁目の"1262"は“デイトジャスト”
5桁目の"3"は"フルーテッドベゼル"
6桁目の"4"は"ホワイトゴールド×ステンレススチール" を表しています。
そして最後末尾にアルファベット文字がつく場合もあり、その際は特別な装飾・または基本モデルとは違う色が使われていることを表します。
型番については、諸説ありますので参考までにご覧ください。
まずはモデルです。以下が代表的なデイトジャストのモデルコードとなります。
現行:1262
1世代前:1162
2世代前:162
続いてベゼルです。下記以外にもデイトジャスト以外のモデルでは“4”の手彫りベゼルなども存在します。
こちらも例外が存在するなどしますので、参考程度にご覧ください。
数字 | ベゼルの種類 |
0 | ポリッシュドベゼル |
1 | ファインリーエンジンターンドベゼル |
2 | エンジンターンドベゼル |
3 | フルーテッドベゼル |
6 | 回転ベゼル |
最後に素材です。ベゼルナンバーの右隣にある0〜9の数字は、ケースやブレスレットの素材を表しています。
数字 | 素材の種類 |
0 | ステンレススティール |
1 | ステンレススティール×エバーローズゴールド |
3 | ステンレススティール×イエローゴールド |
4 | ステンレススティール×ホワイトゴールド |
8 | イエローゴールド |
ここまでで基本的な型番の意味が説明できますが、モデルによっては特別な意味を持つ型番が存在します。デイトジャストではシェルダイアルを表す"N"やローマンインデックスを表す"R"の組み合わせなどが存在します。
文字 | 意味 |
NA | シェルダイアル+アラビアインデックス |
NR | シェルダイアル+ローマンインデックス |
NG | シェルダイアル+10Pダイヤインデックス |
デイトジャストのデザイン遍歴
ロレックスのデイトジャストには非常に似た型番がたくさんあります。
126233、116233、16233、16013,1601など・・・・
デイトジャストは何十年もの間、細かなアップデートを繰り返し現行モデルに至ります。
本当はすべて紹介したいのですが、今回は比較的わかりやすい「Ref.116233」と「Ref.16233」の違いについて解説していたいと思います。
一言で簡単に説明すると、Ref.16233の後続モデルがRef.116233になります。
Ref.16233は1988年頃〜2004年頃、Ref.116233は2004年頃~2019年頃まで製造されていたモデルになります。 ぱっと見ではどのような違いがあるか判別しにくいので解説していきます。
どこが変わった? Ref.116233とRef.16233
ここにデイトジャストのRef.116233とRef.16233のイエローゴールドのコンビモデル」ぱっと見は同じように見えますが、どこが違うのでしょうか。
①インデックスの夜光の大きさ
インデックスの大きさを見比べてみると、Ref.16233(左写真)よりもRef.116233(右写真)の方が夜光部分が大きく視認性が良くなっています。
1990年の後半からRef.16233の夜光はトリチウムからルミノバに変わり、Ref.116233と同じに使用になりますが、Ref.116233の方が夜光が大きいので暗いところでは見やすくなっています。
②ケースの仕上げ方
ケースのラグ部分をよく見比べてみると、仕上げ方が異なります。
Ref.16233(左写真)は「サテン仕上げ」で光沢感はありませんが、Ref.116233(右写真)の方は仕上げが「鏡面仕上げ」に変更になっています。 サテン仕上げには傷が目立ちにくいですが、鏡面仕上げのケースは光沢感がでるのでかなり高級感がでましたよね。ちなみにサテン仕上げは磨き方によって目が変わるので購入の際は目が綺麗か確認するとよいと思います。
③バックルの仕様
バックルの仕様について見比べてみると違いは一目瞭然ですね。Ref.16233(写真の左側)は「シングルバックル」仕様ですが、Ref.116233(写真の右側)はバックルとブレスレットが一体化した「コンシールドクラスプ」に変更されました。スッキリした印象だけでなく、バックルの地板自体も厚みがあるのでかなり高級感がでましたよね。
旧型のタイプについては、脱着しやすいという声もあります。こちらもお好みで選んでみてください。
④ラグの形状
「ラグ」とは、ケースとブレスを繋ぐための突起部分です。ちょっとわかりづらいですが、Ref.16233(左側写真)は尖っている形状ですが、Ref.116233(右写真)は少し丸みを帯びた形状に変更になっています。新型の方がよりフィット感が向上しています。
その他の違い
実は他にもRef.116233に移行するにあたり、下記のような違いがあります。
・ブレスのコマが中空から無垢に変わって、よりたるみにくくなった。
・オイスター(3列)ブレスは約5mmの延長操作が自在に可能となるイージーリンクを搭載したバックルに変更。
・文字盤のバリエーションが増えた。
・文字盤によって異なるが各種針は太くなった。
・カレンダー表記の奇数日が、赤、偶数日が黒となるモデルも加わった。
メンズデイトジャストの相場・買取価格は?
デイトジャストの買取相場はスポーツモデルほどの変動は現状なく、安定していますので買いやすいモデルとなります。デイトジャストは、バリエーションが多く、ヴィンテージでお気に入りを探す楽しみも味わえるモデルです。
デイトジャストの買取価格をOWLLAR編集部で独自に調べてみました。一例とはなりますが参考までにご紹介いたします。
※買取実績の金額はあくまで参考価格となります。相場やコンディション、付属品の有無により金額は変動します。
ステンレス
■Ref.116200 ホワイトRef
参考買取価格~780,000円
Ref.116200は、2005年に登場したオールステンレススティール製モデル。美しく湾曲したドームベゼルが高級感を漂わせる36mm径スタンダードウォッチです。視認性を高めるために太くなった針、緩やかに盛り上がったドーム型のベゼルなど、旧型に比べより実用性が高められています。
ステンレススティール×ホワイトゴールド
■Ref.126334 スレート(グレー)/グリーンローマ
参考買取価格〜1,470,000円
Ref.126334は、2017年に発表されました。ケース径が41mmとサイズアップした「デイトジャスト41」。文字盤は人気の“ウィンブルドン”です。現状定価超えでの買取金額になり、正規店での入手は非常に困難な人気モデルです。新たに14件もの特許を取得し、新開発の脱進機クロナジー・エスケープメントを採用した自社開発キャリバー3235を搭載。
旧モデル(リファレンスナンバー5桁および4桁)
■Ref.16013 シャンパンモザイク/バー
参考買取価格〜400,000円
こちらはなかなかお目にかかれない希少な「モザイク文字盤」を備えています。ベゼルとブレスにイエローゴールドを使用し、シャンパンゴールドのダイアルが相まって華やかで豪華な印象です。
■Ref.1601 シャンパン/ワイドボーイ
参考買取価格〜330,000円
こちらの文字盤は一部のヴィンテージデイトジャストに存在する、通常よりも幅の広い針・インデックスが採用された「ワイドボーイ」です。針、インデックスともに中央に溝があるデザインが施されており、「ファットボーイ」とも呼ばれ稀少ダイアルとなっています。ダイアルはシャンパンで、外側が一段下がった立体感のある文字盤です。ヴィンテージウォッチらしい風合いを備えた1本です。
デイトジャストの相場について
デイトジャストの買取相場は、製造された年代や、素材、モデルなどによって変わってきます。珍しいデザインの文字盤や、ダイヤやゴールドなどの高価な素材は比較的高い価格がつくことが多いです。
デイトジャストの価格について知りたいという方は、価格についての記事「ロレックスデイトジャストの価格帯別徹底ガイド!(ヴィンテージからハイクラス)」もご覧になってみてください。
最後に
デイトジャストは、ロレックスの「3大発明」が集約されたロングセラーモデルで、 長い歴史の中で時計業界に影響を与えた革新的なモデルです。3針のシンプルな基本的なデザインは変わっていないので流行り廃りがなく、末永く愛用できるモデルですよね。また、多数のモデルがあり、自分に合った一本を選ぶ楽しみがあります。
また豊富なバリエーションで幅広いシーンに対応することができるのも魅力の一つです。着用シーン別でおすすめのデイトジャストを別の記事でまとめていますので、こちらもご参考ください。
【どんなシーンにオススメ?ロレックスデイトジャスト多彩な文字盤をご紹介!】
使いやすさと美しさを兼ね備えたデイトジャスト。これからも幅広い世代に支持されていくことでしょう。 「一生もの」の機械式時計として、ロレックス購入の最初の1本に選ばれる方が多いのも納得ですね。
この記事を監修してくれた時計博士
Endo Youkoh
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC 上級ウォッチコーディネーター取得
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 銀座本店 販売スタッフ
1984年生まれ 神奈川県出身 時計業界2017年より
デザイン系の短大を卒業後、23歳で大手セレクトショップに入社。 主にレディースの服飾雑貨の責任者として、店頭接客・MD・VMD業務に携わる。入社10年目を機に更なるステップアップを目指し、高級時計店への転職を決意。2017年にGINZA RASIN入社。
人と話すのが好きで、スーパーポジティブな私は、現在お気に入りのIWC メカニカルフリーガークロノと共に店舗にて販売業務に従事。アパレル業界での経験を生かし、多角的な視点で記事監修を行っている。