カルティエのすごいところや魅力!資産価値や人気モデルも徹底解説!
美しいフォルムを持つカルティエの腕時計は、女性だけでは無く、男性にもフィットするジェンダーレスな腕時計です。
しかし、カルティエの時計はそのフォルムだけが魅力ではありません。
緻密な実用時計としての側面も有名です。またブランドヒストリーにも触れない訳にはいきません。
今日はカルティエの魅力をたっぷりとご紹介します。
カルティエの時計のすごいところや魅力
カルティエは世界的に名の知れている有名ブランドですが、主にジュエリーのイメージを持っている人が多いです。
時計としてのカルティエにはどのような魅力やすごさがあるのか、この項目で分かりやすく解説します。
芸術性が高いエレガントなデザイン
カルティエを語る上で欠かせない事は製品が持つ高い芸術性とエレガントなデザインです。
全体的にカルティエの製品は曲線美を巧みに取り入れています。直線的に見えるプロダクトにも曲線を芸術的に織り込み、親しみやすい仕上げにしている点が特徴です。
そのデザインを語る上で外せない代表格モデルのパンテール・ドゥ・カルティエについて説明します。
パンテールとはフランス語で豹の事を意味します。豹はフランスの宝飾業界においても人気のあるモチーフです。この豹がカルティエで使われるようになったのは、1914年頃だと言われています。
カルティエの象徴となる動物の「豹(ヒョウ)」はカルティエの広告にもよく使われています。
豹の持つ曲線美のエレガントさ、美しい毛並みはジュエリーブランドイメージと重なり、力強さ、狩猟のシンボルとしても広く世間から認識されており、カルティエ製品の持つイメージそのものといえます。
ブランド知名度が高くステータス性が抜群
カルティエは世界5大ジュエラー(以下に記載)の一つです。どのブランドもブランド知名度が高く、ステータス性が抜群と言えます。
- ティファニー&カンパニー
- ハリー・ウィストン
- ヴァンクリーフ&アーベル
- ブルガリ
- カルティエ
それぞれのブランドは著名なクライアント(顧客)を持つ事で知名度とステータスをUPさせているのです。
その中でもカルティエは歴史的にも王室や貴族といったクライアントを多く抱え、納入業者としても知られています。
そのため「王の宝石商」とも呼ばれるのです。カルティエが造り出すプロダクトの優れた品質とデザインは、顧客から高い評価を得ていて、顧客からのリクエストが後の名作となった事もあります。
その名作が、後世へ彼らのブランド力とステータス性を高める好循環を生んだ事も見逃せません。
高貴な顧客からの要望から造りだした製品がマスターピース(名作)となる。これは現代のラグジュアリービジネスでのマーケティング成功例をまさに体現したものです。
また、次表のようにカルティエは世界5大ジュエラーの中でただひとつ、時計ブランドの売上高においても常にランクインされています。
順位 | ブランド名 | 売上高(スイスフラン) |
1 | ロレックス | 93億 |
2 | カルティエ | 28億 |
3 | オメガ | 25億 |
4 | オーデマ・ピゲ | 21億 |
5 | パテック・フィリップ | 18億 |
出典:BLOOMBERG|Morgan Stanley,2023
洗練されたフォルムで実用性も高い
カルティエの時計は美しく優美な外観にばかり目が行きますが、実用性の高い時計ブランドとしての側面も忘れてはいけません。
ジュエラーとしてもトップブランドですが、時計のマニュファクチュール(自社一貫生産ブランド)でもあります。
カルティエは同社専用の時計工場を2001年にスイスのラ・ショー・ド・フォンに新設して、自社でムーブメント(時計の機械機構:エンジン)から一貫製造できるラインになった事で、精度が高く実用性の高い時計を24時間体制で数多く生産中です。
洗練されたフォルムは最新の切削機械によって仕上げられています。
これにより熟練職人が手がけたのと同レベルの仕上げを施す事ができ、かつコストを下げて大量生産することができる時計ブランドに成長したのです。
普遍的な魅力
カルティエの魅力としてもう一つ挙げるとすれば、普遍的な魅力が特徴です。
前述したサントスを始めとする、各モデルはどれも大きなモデルチェンジがありません。
時代を先取りした普遍的なデザインだからこそ、時を越えて人々から愛されるのです。
永遠の美が凝縮されたカルティエの時計は、万人を惹きつける不思議な魅力に溢れています。
カルティエはどんな人に似合う時計?
さて巷ではカルティエはどんなふうに言われているのか気になりますよね。
時計業界ではカルティエは「エレガントでセンスある時計」と呼ばれています。
また有名ブランドの割には価格設定もリーズナブルで、お得感の高いモデルも多く存在します。
愛用者の傾向としては、ハイセンスな女性が好む時計という印象があります。女性用のサイズの小さな時計が多く、細い腕の女性にフィットする事は間違いありません。
東京のみならず、全国のオフィス街に近い駅で乗降する女性会社員がカルティエの時計を装着している姿を多く目撃します。
カルティエの設立国はフランス
カルティエはルイ・フランソワ・カルティエによってフランスのパリで1847年に設立されました。
ルイ・フランソワ・カルティエには息子のアルフレッド、そして孫にはカルティエ三兄弟のひとり、ルイ・カルティエが居ました。
創業者であるルイ・フランソワ・カルティエは優れたセンスと技術を持ち合わせた、宝飾商として業界内で、高い評価を得ていました。
しかし、彼は優れた宝飾品を売るだけに留まらず、顧客との信頼関係を築く事に尽力した人物だったそうです。
結果カルティエは王室や貴族から絶大な信頼を得て、ブランドの名声を高めることに成功しました。
カルティエの時計の資産価値
出典:Wikimedia Commons|ルイ・フランソワ・カルティエ
ブランド自体の評価
カルティエの黎明期は宝飾品の生産から手がけましたが、三代目にあたるルイ・カルティエが経営に携わるようになった20世紀初頭、カルティエは更にブランドが大きく飛躍する発明や特許を申請します。
代表的な物が「デプロワイヤント・バックル」(別名Dバックル)です。
これはストラップが衝撃で外れ落下しないように、レザーを金具に絡ませ着脱もワンプッシュでできる画期的な特許(1909年)でした。初代サントスに用いられたこの特許は後のレザーストラップの業界標準となります。
デプロワイヤント・バックルが出たことで、腕時計の実用性はアップし、現代に至るまで時計業界で受け継がれている技術です。これによりレザーストラップ時計の着脱が容易になり、従来型の時計と比較して、尾錠とレザーホールの摩耗が減少します。
現在このデプロワイヤント・バックルは多くの高級時計ブランドに採用され、時計業界の業界スタンダード的な技術として、時計業界では高評価を得ている特許です。
伝統的なピンバックルと比較してスマートに見える点、金具自体もストラップの下に隠れるためレザー本来が持つ印象を損ねる事もありません。
また近年カルティエは、工具不要でブレスレットやストラップが交換できるインターチェンジャブル・ストラップも積極採用しています。
このようにカルティエは、腕時計で重要なストラップの利便性の向上に積極的に取り組む側面も持つブランドでもあるのです。
有名モデルの評価
カルティエの時計の中で最も有名なモデルはタンクです。ブティックの店員さんに聞いても皆口を揃えて、タンクを有名モデルとして挙げます。
タンクは著名デザイナーやセレブリティからも支持を受けており、カルティエのモデルの中でも最もシンプルでハイセンスな外観といえます。
芸術家やファッションアイコン的な人物が好んで使用しているシーンをよく見かけます。
中古価格の目安
それではカルティエの中で、最もスタンダードなモデル「カルティエ・タンクマストXL 自動巻き、ステンレス製、カーフスキンストラップ」の中古価格と新品価格を紹介します。
中古価格 約50〜60万円(付属品や市場によって変動あり)
※この項目で解説している価格は、当社の時計専門家と公開時の市場価格を元に一般ユーザー向けとして掲載している価格です。
正規販売価格 75万9千円(税込)2024年3月時点(公式HP)より引用。
モデルにもよりますが、リセール率は一般的な価格だといえるでしょう。
カルティエの代表作や人気モデル
カルティエには主に以下4つの人気モデルがあります。
- タンク
- サントス ドゥ カルティエ
- パンテール・ドゥ・カルティエ
- パシャ・ドゥ・カルティエ
タンク
タンクは1919年に発売されたモデルです。第一次世界大戦でフランス軍が使用したルノーFT-17軽戦車を上から見てインスピレーションを受けたと言われています。特筆すべき点はタンクが持つ、直線的なデザインです。
丸型の時計が多い中、珍しい長方形のケースを採用している事が特徴で縦横の比が黄金比になっています。この事で、シンプルなデザインに仕上げていても美しく見えるのでしょう。
サントス ドゥ カルティエ
一般的にサントスと呼ばれるモデルで、1904年に3代目の経営者ルイ・カルティエが友人である、ブラジル人富豪アルベルト・サントス=デュモンから要請を受けて開発した世界初の男性用の腕時計として、1911年に発売されます。
最大の特徴は四角形のケースと、前述したデプロワイヤント・バックルを採用した事です。パイロットのために作られた時計として新たなジャンルを開拓したフロンティア的なモデルとなった時計でもあります。
パンテール・ドゥ・カルティエ
カルティエの象徴である豹(パンテール)をモチーフにしたモデルで、時計以外にも同名のリング、ブレスレットもある事が特徴です。
1983年に登場したこのモデルは外観はサントスと酷似していて、全モデルがブレスレット(金属製)になっています。
ブレスレットも角を丸めてエッジを聞かせていない事が特徴です。パンテール(フランス語で豹)の名の通り野生的な美しさを持ったモデルになります。ピンクゴールドやイエローゴールドを採用したモデルが多く、妖艶な香りのするモデルです。
1980年代の発表当初は、限定された顧客に向けて発売されていました。2017年に再リリースしてから定番となったモデルです。
パシャ・ドゥ・カルティエ
パシャはカルティエの中でも特に個性的で大胆なデザインが特徴のモデルです。1930年代のマラケシュ(モロッコ)のパシャ(太守)から防水時計の試作を依頼されて作った事が始まりです。
リューズに鎖を付けた斬新なデザインが印象的なこのモデルは、カルティエのモデルの中で唯一ローマン数字では無く、アラビア数字を採用しています。
パシャの原型となったモデルは1943年に登場後、1985年正式にパシャとして再登場した同社初のスポーツモデルです。
カルティエを愛用する有名人や著名人
反町隆史さん
2023年9月のカルティエのイベントに黒のサントス ドゥ カルティエを付けて報道陣の前に登場。
「シンプルで品が良い。色風が今風なアレンジ。カルティエは女性のイメージが強かったが、このモデルは幅広いシーンで付けられる」と、セレクトの理由を語っています。
コメントにあるようにサントス ドゥ カルティエは、黒色のモデルは近年カルティエが特に力を入れてリリースしているモデルです。伝統的にカルティエは白か銀色の文字盤のみのブランドでしたが、近年彼らの文字盤はカラフルになっています。
男性向けモデルを反町さんが早速着用したと、考えられます。
渡辺謙さん
反町さんと同じカルティエのイベント時にタンクMCを付けて登場しています。セレクトした理由は語っていませんが、「それまで時計に興味が無かったが、映画に相応しい高価な時計を購入した」と購入の理由を述べていました。
俳優は仕事柄、嗜好や趣味を前面に出さない生活を好む人が多くいると聞きます。カルティエはデザインはシンプルですが、上品に見せる事ができるためハリウッドセレブも愛用者が多いのが特徴です。
渡辺謙さんもそのひとりかも知れませんね。
常田大希さん(King Gnu)
2020年11月のカルティエの新作発表でパシャ・ドゥ・カルティエを着用して登場しています。セレクトの理由は語っていませんが、「歴史と伝統あるブランドと仕事ができて光栄です。」とコメントしていました。
ギタリストのため普段は時計をしているシーンをSNSでも見ることはありません。個性的なキャラクターの彼が選んだカルティエが、個性的なパシャだったと推測できます。
米倉涼子さん
人気ドラマでは米倉さんがカルティエタンク・フランセーズを着用しているシーンが見られます。強い女医さんを演じるには相応しいモデルです。
シリーズ2回に渡って着用していますが、小ぶりなサイズは役柄的(外科医)に仕事の支障にならない時計になります。
叶姉妹
SNSの本人アカウントで、カルティエ・ベニュワールを着用している写真を投稿しています。本人がコメントで「繊細に湾曲している洗練されたデザインがお気に入り」と叶美香さんがコメントしています。
ゴージャスで、妖艶なモデルは叶さんにピッタリな時計です。
田中みな実 さん
カルティエタンク・フランセーズを付けている写真をSNS上で目撃されていて、同社のリングも愛用しているカルティエ・フリークです。愛犬と散歩している姿が目撃されていて、タンク以外は目撃されていません。
あまり時計を多く持っていない人には、カルティエタンク・フランセーズは最適です。ブレスレットの時計は軽い運動にも適しています。
そしてフォーマルな場でも使えるエレガントなデザインは幅広いシーンで活躍できる時計です。
カルティエの時計におけるこだわりポイントまとめ
カルティエというブランドが特に拘っていると感じるポイントはエレガンスさを大事にしながら、常に革新的なチャレンジをする点です。これはルイ・カルティエの頃から続く同社の社風だと筆者は感じます。
高級なイメージがある半面、時計専業ブランドと比較すると価格設定は抑えていて入手しやすいモデルが多いのも時計初心者には嬉しいブランド、と言えるでしょう。
モデルチェンジも少なく、時を経ても変わらない計算されたデザイン(設計)は長く使えます。時計自体も高品質であるため、コストパフォーマンスは極めて高く失敗の少ないブランドでしょう。
この記事を監修してくれた時計博士
Endo Youkoh
(一社)日本時計輸入協会認定 CWC 上級ウォッチコーディネーター取得
高級時計専門店GINZA RASIN 店舗営業部 銀座本店 販売スタッフ
1984年生まれ 神奈川県出身 時計業界2017年より
デザイン系の短大を卒業後、23歳で大手セレクトショップに入社。 主にレディースの服飾雑貨の責任者として、店頭接客・MD・VMD業務に携わる。入社10年目を機に更なるステップアップを目指し、高級時計店への転職を決意。2017年にGINZA RASIN入社。
人と話すのが好きで、スーパーポジティブな私は、現在お気に入りのIWC メカニカルフリーガークロノと共に店舗にて販売業務に従事。アパレル業界での経験を生かし、多角的な視点で記事監修を行っている。