急げ!まだ安く買えるロレックス10選

監修:Endo Youkoh
2023/06/01

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ロレックスと聞くと、高級腕時計の代名詞的存在に思われる方も多いでしょう。
実際ロレックスの国内定価は多くのモデルが100万円超に設定されていることに加えて、二次流通市場ではさらなる高額取引が珍しくありません。例えばロレックスのオシャレなパイロットウォッチGMTマスターIIですが、国内定価1,296,900円のところ、実勢相場は300万円前後のプレミア価格が当たり前といった様相です(Ref.126710BLRO ジュビリーブレスモデルの場合)。

このロレックスの価格高騰はもう7年ほども続いており、今では腕時計業界の外でもしばしば話題として取り上げられるほどです。
でも、安心して下さい。
中古市場を探せば、まだ相場が上がりきっておらず、安く買えるモデルはあります!この記事では、まだ50万円~100万円程度で購入できるロレックスを10選ご紹介いたします!

※掲載する情報は2023年5月現在のものとなります。また、中古時計の実勢相場は状態や年式によって大きく異なりますこと、あらかじめご了承下さい。

オイスターパーペチュアル エアキング 14000M,14010M

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スペック

素材:ステンレススティール

ケースサイズ:直径34㎜

文字盤色:シルバー、ブルー、ブラック他

駆動方式:自動巻き

ムーブメント:Cal.3130

実勢相場:50万円台~60万円台

最初にご紹介するのは、シンプルでベーシックなオイスターパーペチュアル エアキングです!

現行エアキングはプロフェッショナルモデルに位置づけられますが、これは2016年以降のことです。エアキングはもともとは、オイスターパーペチュアルの派生モデルでした。

ではエアキングがどのような腕時計かと言うと、1940年代にロレックスが「航空業界へのオマージュ」というコンセプトで生み出したコレクションです。
1930年代~1940年代は、パイロットウォッチを始めとした航空関連時計が急速に発達した時代です。なぜなら二つの世界大戦では航空機が戦闘で重要な役割を果たしていたためです。この時代の航空機の高速化や長距離移動の実現は、戦後の大型ジャンボジェット時代へと繋がっていき、航空業界は大きく華やいでいきます。
なお、1940年代という早い段階から登場していたことからも予測できる通り、エアキングはロレックス史において非常に長い歴史を持ちます。その歴史は、現行ロレックスの中で最も古いペットネームを持つほど。

※ペットネームはモデル名以外の愛称です。前述の通りエアキングはオイスターパーペチュアルの派生モデルですが、エアキングの呼び名を持つことでエアキングはその歴史をスタートさせ、アイデンティティを有していったと言えます。文字盤にAir-Kingのロゴを持つのも、なんだか特別感がありますよね。ちなみにペットネームは時代とともに減少していきます。

そんな歴史を持つエアキングですが、いくつかの世代に分かれます。
とりわけ1950年代以降のモデルは、レギュラーモデルとして量産されたこともあり(2014年でいったん生産終了しますが)、お値打ちな個体が少なくありません。

ロレックスはどの時代においても実用性や高性能への訴求に余念がなく、年式が古くても安心して使える個体が多いものですが、「まだ安く、かつ普段使いにも適している」エアキングとして、Ref.14000MまたはRef.14010Mをお勧めしたいと思います!

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Ref.14000Mは2001年~2007年に製造されていたオイスターパーペチュアル エアキングです。ちなみにエンジンターンドベゼルが搭載されているモデルはRef.14010Mです。
1990年頃~2000年まで製造されていた先代のRef.14000/14010も安くて良いロレックスですが、Ref.14000M以降はCal.3130を搭載するようになったことがミソ。
Cal.31系ムーブメントは、ロレックスが1980年代後半~現在に至るまで主要コレクションに搭載させてきた、基幹機です。高精度と耐久性を見事に両立させていること。またあらゆるモデルに搭載された量産機ゆえに、修理ノウハウが出回っていることなどから、ロレックスの中古市場を下支えする傑作機としても語られています。2015年以降はCal.32系へと世代交代されましたが、今なおCal.31系への業界内での高い評価は変わりません。
エアキングもRef.14000M/14010MよりCal.3130へと載せ替えられたことで、製造から年式を経てなお、いっそう普段使いしやすい実用機になったと言えます。

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さらに、この時代のエアキングはオイスターパーペチュアルの派生ということもあり、バリエーションが豊かなのも嬉しいところ。
Ref.14000Mまたは14010Mは、文字盤色や状態によっても変わってきますが、おおむね50万円台~60万円台で出回ります。流通量も豊富なため、ご自身の条件に合う一本と出会いやすいという側面があります。
ケース直径は34mmと現代のスタンダードよりかはやや小さめですが、かなり通な雰囲気で着けこなせるとあって、時計愛好家を中心に根強い人気を博していることも特筆すべき点です。

一方で「安く買える」とは言え、年々ジワジワと相場が上昇していることも事実です(ちなみに、ほんの数年前は40万円~が相場感でした)。これは全ての中古ロレックスに言えることですが、世界的な需要が高まり続けております。しかしながら生産終了モデルの市場での流通量はそうすぐには変わらないため、「安く買えるモデル」であっても品薄傾向が徐々に加速しているのです。もっとも、これは「値崩れしづらい」「今後価値が今以上に上がるかもしれない」ということを示唆しています。
本当に欲しい方。そして時計を楽しみつつも、価格高騰に期待している方は、ぜひ狙って頂きたい「安く買えるロレックス」です!

オイスターパーペチュアル エアキング 114200

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スペック

素材:ステンレススティール

ケースサイズ:直径34㎜

文字盤色:ピンク、シルバー、ブルー他

駆動方式:自動巻き

ムーブメント:Cal.3130

実勢相場:60万円前後~70万円台

もう一点「安く買えるロレックス」として、エアキングからご紹介いたします!
それは、前項でご紹介したRef.14000Mの次世代機にあたるRef.114200です!

2007年~2014年まで製造されました。スペックは先代と大きくは変わりません。変わらずCal.3130が搭載されています。しかしながらRef.114200よりクロノメーター化が図られ、以降ロレックスの全てのモデルがこの高精度の認定機として打ち出されることとなりました。

もっとも、外装はかなり大きくアップデートされています。
ケース直径は変わらず34mmサイズですが、ふんわりと丸みを帯びたフォルムに。さらに2000年代からロレックスはフラッシュフィットを一体型としており(時計本体とブレスレットのつなぎ目のエンドピースが、ブレスレットと分離せずに一体型となった仕様)、堅牢性がいや増すことはもちろん、腕元からの存在感もアップしました。

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さらにRef.114200から、文字盤デザインがいっそう「楽しく」なったことも特筆すべき点です。
前述の通り、もともとオイスターパーペチュアルの派生モデルということもあり、2016年より前のエアキングはバリエーションが豊富でした。しかしながらRef.114200ではさら「コンセントリック」などと称される、文字盤中央に同心円状のスネイル装飾が施されたユニークなバリエーションも追加されており、オシャレな印象が強まることとなったのです。

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ちなみにRef.114200を2007年~2014年までの製造と述べましたが、「Air-Kingのロゴが2014年に消え、Ref.114200はオイスターパーペチュアルのみに」という記述が正確です。
2014年に突如として文字盤からAir-Kingのロゴが消え、エアキングはロレックス史から完全に「生産終了」となったかに思われました。
実際は2016年にプロフェッショナルモデルのRef.116900としてエアキングは生まれ変わるのですが、「Air-King」ロゴが入ったRef.114200は製造期間7年という短さとなります。

エアキング Ref.114200の実勢相場は60万円前後~70万円台と、他のプロフェッショナルモデルなどと比べると「まだ安く買えるロレックス」と言って良いと思いますが、一方でここ数年ほどで流通量が目立って少なくなってきています。とりわけ前述したコンセントリック文字盤などは、もともと製造数がそう多くなかったことが予測されており、いつも出回っているとは限りません。
見つけた時に買っておきたい「まだ安いロレックス」と言えます。

ちなみにエアキングは2016年にRef.116900として、新たな文字盤を携えて生まれ変わったのはご存知の通りです。

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このRef.116900も2022年にモデルチェンジとなったのですが、一時期に比べると相場が落ち着いてきており、100万円程度~購入できる個体も出回っています。

エクスプローラーI 114270

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スペック

素材:ステンレススティール

ケースサイズ:直径36㎜

文字盤色:ブラック

駆動方式:自動巻き

ムーブメント:Cal.3130

実勢相場:80万円台半ば~90万円台

日付表示すら持たないシンプルでベーシックなデザインであり、かつロレックスらしい堅牢性や実用性が存分に味わえるエクスプローラーI。
1953年に発表されて以来、このベーシックなスタイルを変わらず貫いているロングセラーというのもエクスプローラーIの魅力を押し上げますね。余談ですが、エクスプローラーIはしばしば世界初のエベレスト登頂と結び付けられます。エベレスト登頂は1953年に登山家エドモンド・ヒラリー卿とシェルパのテンジン・ノルゲイ氏が率いるイギリス登山隊が成し遂げた偉業ですが、この際、エクスプローラーIのプロトタイプがロレックスから提供された背景があるためです。もっとも、この登山隊が実際に着用していたモデルについてロレックスでは「オイスター」とのみ表記しておりますが、ロレックスの「エベレストのような過酷な環境下でも、探検家をサポートする時計」としての魅力をイメージするには十二分ですよね。

こういった歴史を持つエクスプローラーIですが、機能がシンプルゆえに、比較的価格が落ち着いてもいました。ロレックスらしい堅牢性や信頼性を楽しめるにもかかわらず「価格の優等生」であり、初めての高級腕時計としても良い選択肢となったものです。

しかしながら、ここ数年来のロレックスの価格高騰の煽りを受けて、ジワジワとプレミア化します。
とりわけ2021年に、2010年から長きに渡って製造されてきたエクスプローラーI Ref.124270が世代交代し、ケース直径39mmから直径36mmへとダウンサイジングを果たしたことで大きな話題に。実勢相場も大きな影響を受けることとなりました(なお、2023年に40mmサイズのエクスプローラー40が登場しています)。

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歴代エクスプローラーIの全ての世代で価格高騰していたものですが、2022年下半期頃より、ようやく落ち着きを取り戻してきています。
特に現行からは先々代にあたるRef.114270は「ようやく安く買えるようになったロレックス」としてねらい目です。

そんなエクスプローラーI Ref.114270は、2001年~2010年まで製造されていました。
次世代機のRef.214270はケース直径39mmへと変わったことから「最後の36mmケース」などと称されていたこともあり(実際は2022年にRef.124270として36mmサイズが復活したのは前述の通りですが)、Ref.114270でなくてはといったファンは少なくありません。

なお、Ref.114270の特徴は、前項まででご紹介したエアキング同様、Cal.3130を搭載していることです。
また、やはりフラッシュフィット一体型となり、5桁時代のロレックス(ポストヴィンテージなどとも)とはまた違った雰囲気を獲得することとなりました。

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このRef.114270、2021年から2022年にかけて大きく値上がりし、一時期100万円も間近といった相場感でしたが、現在では80万円台半ば~90万円台で安定しています。「200万円出さなくては人気モデルは買えなくなった」と言われている時代において、人気のエクスプローラーIがこの価格帯というのは嬉しいですよね。

ただし、多くの中古ロレックスに言えることですが、「高年式の個体」ほど高値となる傾向にあることは知っておきたいところです。
とりわけRef.114270は2007年以降にルーレット刻印(文字盤外周のインナーリングに、偽造防止のためにROLEXのロゴとシリアルが印字された仕様)となりますが、この仕様が採用されて以降の個体は高値傾向になります。
また、生産終了前夜(2010年頃)に製造されたG番・ランダムシリアルは流通量が少ないため、やはり高値。さらにV番で確認されている、ブラックアウトと呼ばれる仕様(インデックスの3・6・9に白い着色がなく、ブラックカラーとなった仕様)はレアロレックスとしてプレミア相場となっております。

価格の違いを知ることで、より条件に合った「安く買えるロレックス」が入手できるため、ぜひ心に留めておいて下さい!

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なお、さらに先代のRef.14270も、比較的安定した相場感です。
高年式個体はもちろん、逆にトリチウム夜光やシングルバックなどといったオリジナルの仕様を現存させている個体は100万円超が当たり前なのですが(ちなみにRef.14270にもブラックアウトがあり、やはりプレミア価格)、特にこだわりがなければ90万円前後~流通しております。ポストヴィンテージの雰囲気が色濃く残されたRef.14270も素晴らしい中古ロレックスですので、気になる方は探してみて下さいね。

デイトジャスト 16233、16233G

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スペック

素材:ステンレススティール×イエローゴールド

ケースサイズ:直径36㎜

文字盤色:ブラック、ホワイト、シャンパン他

駆動方式:自動巻き

ムーブメント:Cal.3130

実勢相場:90万円前後~

近年、ロレックスはデイトナやGMTマスターIIなどといったプロフェッショナルモデルが取り沙汰されがちです。しかしながら、世界で最も所有されているロレックスと言えば、デイトジャストです。
デイトジャストのフルーテッドベゼルやジュビリーブレスレットを備えたエレガントな顔立ちに、これぞロレックスといったイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

ちなみにデイトジャストは1945年に誕生した、ロレックスの「発明」に名前をちなむコレクションです。
日付が瞬時に切り替わる当機構の小気味良さは今なお健在ですが、さらに3時位置にデイト窓があることもミソ。ジャケットの袖を少し引くだけで日付確認ができるこのレイアウト、今では当たり前に思うかもしれませんが、従来ポインターデイトが多かったデイト表示において、デイトジャストよりこのスタイルが浸透したと言われています。

そんなデイトジャスト、ロレックス屈指のバリエーションの豊富さでも定評があります。メンズ・レディース・ボーイズに対応したサイズからプレシャスメタルやステンレススティールを中心とした素材展開、多種多様なカラーや文字盤デザイン・・・さらにはシェルやラピスラズリなどといった天然鉱石を用いたデザインコードも確立しており、その組み合わせは数百にも及びます。

また、デイトジャストは世代も多彩なのですが、Ref.16233は1988年頃~2004年まで製造されたモデルです。
ちなみにインデックスにダイヤモンドがセッティングされたモデルはRef.16233G、文字盤にシェルが採用されたモデルはRef.16233NRなどと表記されます。

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このRef.16233、当店で最も売れているロレックスの一つです。
種類が膨大ということもありますが、5桁時代特有のゆるっとした雰囲気を有しながらも、耐久性のあるCal.3135を搭載することで実用的なドレスウォッチになっていることが大きな魅力です。
ステンレススティール×イエローゴールドがコンビとなった扱いやすい華やかさや、フルーテッドベゼルにジュビリーブレスレットといったデイトジャストらしさを存分に備えていることも、人気の秘訣でしょう。

価格帯はモデルや状態によって大きく左右されますが、おおむね90万円前後~です。ダイヤモンドやシェルを扱ったモデルでも大きく高騰していないので、お得感が強いですよね。

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バリエーションも本当に豊富ですので、お気に入りの一本を選びましょう。

なおRef.16233に限らず、5桁時代のデイトジャストの多くが「安く買えるロレックス」に分類されることも、付け加えておきます!

デイトジャスト 116200

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スペック

素材:ステンレススティール

ケースサイズ:直径36㎜

文字盤色:ブラック、グレー、ブルー他

駆動方式:自動巻き

ムーブメント:Cal.3135

実勢相場:90万円前後

デイトジャストは世代も幅広いと前述しましたが、Ref.116200は2006年~2019年まで製造されたモデルです。
こちらもCal.3135が搭載されておりますが、外装がいっそう堅牢になり(フラッシュフィット一体型となったことに加えて、コマが無垢に)、現代デイトジャストといった雰囲気を増しました。

デイトジャスト Ref.116200はオールステンレススティール製であることに加えて、スムースベゼルが搭載されています。そのため、どこかプロフェッショナルモデルに通じるようなスポーティーな印象がありますよね。ジュビリーブレスレットのみならずオイスターブレスレットもラインナップされていたことからも、この印象が強いのではないでしょうか。とは言え、ケース直径36mmとドレッシーなサイズ感であるため、エレガンスも忘れていないのがさすがロレックスです。

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デイトジャストらしく文字盤バリエーションも豊富ですが、ブラックやシルバーなどといったベーシックなデザインが多くなります。
もっとも、エアキングの項でもご紹介したコンセントリック文字盤や、フラワーモチーフのデザインも存在しており、「楽しさ」は変わらずですね。

実勢相場は90万円前後~。
また生産終了から年式を経ていないこともあり、状態の良い個体の流通量が豊富です。一方で安定して高値傾向にあるため、値崩れしづらいというアドヴァンテージも抱えています。

ただしバリエーションによっては希少性が高い個体も存在します。
繰り返しになりますが、中古ロレックスは年々品薄傾向が強まっていっていることもあり、お早めのご決断をお勧めいたします!

デイトジャスト サンダーバード 16264、16263

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スペック

素材:ステンレスティール×ゴールド

ケースサイズ:直径36㎜

文字盤色:ブラック、シルバー、ホワイト他

駆動方式:自動巻き

ムーブメント:Cal.3135

実勢相場:80万円台~90万円台

サンダーバードをご存知でしょうか。
生産終了してから約20年となっているものの、流通量が豊富ということもあり、よく知られた往年の名作となっております。

ではサンダーバードがどのような腕時計なのかと言うと、1956年頃に誕生したデイトジャストの派生モデルなのですが、アメリカ空軍のアクロバットチーム「サンダーバーズ」隊長のドン・フェリス大佐の引退の際に特注された個体を出自としています。
デイトジャストとは言え、他モデルとは異なり回転ベゼルを搭載していることが大きな特徴。一方でメタルに直接スケールが印字された、どこかドレッシーな回転ベゼルというのは、他のスポーツロレックスとも一線を画していますよね(後年、ヨットマスターで同様にプレシャスメタルに直接印字した回転ベゼルが採用されますが。これは1992年のことです)。

サンダーバードは2004年に後述するターノグラフが誕生したことでその歴史に幕を閉じますが、前述の通り今でも名作として時計好きの間で認知度は高く、活発に売買されております。

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サンダーバードは約50年にわたる歴史の中で、大まかに5世代に分けられます。中でも、本稿で「まだ安く買えるロレックス」としてご紹介したいのは、第五世代のRef.16264またはRef.16263です。ちなみに前者はホワイトゴールド×ステンレススティールのコンビで、後者はイエローゴールド×ステンレススティールのコンビとなります。
1988年頃~2004年頃まで製造されていたサンダーバードの最終世代で、ムーブメントはCal.3135が搭載されています。

デイトジャストらしく本当にバリエーションが豊富で、ベーシックなバーインデックスから気品あるローマンインデックス。あるいはダイヤモンドがセッティングされたモデルなど、楽しいラインナップに。ゴールドが使われているにもかかわらず相場は80万円台~90万円台となっており、「まだ安く買えるロレックス」として、ふさわしいモデルと言えます。

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ちなみに「サンダーバードは価格高騰する」とは、結構長年時計業界で囁かれている話題です。
市場価格全体が底上げしていることも手伝っているとは言え、サンダーバードは実際にジワジワ値上がりしていることも事実。
今後、ご多分に漏れず、状態の良い個体は市場からどんどん減っていくと思いますので、ねらい目でもあるロレックスと言えるでしょう。

デイトジャスト ターノグラフ 116264

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スペック

素材:ステンレススティール×ゴールド

ケースサイズ:直径36㎜

文字盤色:ブラック、ブルー、ホワイト

駆動方式:自動巻き

ムーブメント:Cal.3135

実勢相場:100万円前後~

サンダーバードと入れ替わりで誕生したのが、デイトジャスト ターノグラフです。

サンダーバードと同じように回転ベゼルを備えますが、フルーテッド装飾となり、またスケールはエンボスではなくプリントです。
ケース直径は36mmですが、例の通りフラッシュフィット一体型が採用されるなどの外装アップデートが加えられることで、堅牢性が向上していることもサンダーバードとの大きな違いとなります。

ちなみにターノグラフのペットネームの由来には諸説ありますが、「TURN-O-GRAPH」 ゼロへ戻る、という意味が示唆しているように、時間計測が可能な回転ベゼルにちなんでいるのではないかと言われています。1953年に同名のモデルがリリースされましたが、この当時のターノグラフはよりスポーティーで、サブマリーナーの原型になったのではないかと考えられています。

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そんなターノグラフですが、実は10年にも満たず生産終了し、以降、今のところはロレックス史からは姿を消しています。かと言って不人気モデルというわけでは決してありません。
「まだ安く買えるロレックス」とは言え、100万円前後~が相場感となっているのです。
ほんの2~3年前はまだ70~80万円台で出回っていたものですが(それでも、40万円台で購入できた時代からすると超高騰と言って良いですが)、年々値上がりを果たしており、今後もこの傾向は続くと思われます。

なお、ホワイトゴールド×ステンレススティールのRef.116264にはブラック・ホワイト・ブルー文字盤が存在しますが、ブルーが最も人気が高く、その相場はなかなか100万円を切らなくなってきました。

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加えて、ピンクゴールド×ステンレススティールのRef.116261やイエローゴールド×ステンレススティールのRef.116263もラインナップされており、おおむね130万円前後~が相場感です。
もっともゴールドを素材に用いたハイクラスなモデルということを鑑みれば、高すぎるということはなく、むしろお買い得です。

ヨットマスター 168623

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スペック

素材:ステンレススティール×ゴールド

ケースサイズ:直径33㎜

文字盤色:ブルー、ホワイト

駆動方式:自動巻き

ムーブメント:Cal.2235

実勢相場:100万円前後

マリンウォッチでありながらも、サブマリーナーなどとは違ったラグジュアリー感を全面に押し出しているのがヨットマスターです。
1992年に登場したコレクションで、誕生当初はオール金無垢のみのラインナップ。
この傾向からもわかる通り、ヨットマスターはマリンウォッチとは言えダイビングではなく、ヨッティングを楽しむセレブをターゲットに開発された腕時計でした。もっとも1997年にイエローゴールド×ステンレススティールのコンビモデルを、1999年に「ロレジウム」としてプラチナ×ステンレススティールモデルを発売したことから、ファン層が拡大(付け加えると、2023年にはオールチタン製の新作ヨットマスター42がリリースされたことで大きな話題になりました)。
また、スポーツ系ロレックスで唯一メンズ・ボーイズ・レディースの3種のサイズ展開を行っていたため(ただし現行は42mm・40mm・37mmケースのみ)、様々な属性の顧客にアプローチすることにも成功したのでしょう。

とは言え、人気の高まりに伴って相場が上がっていくというのはロレックスの常です。
ラグジュアリーラインであるがゆえに製造数が少ないという背景もあってか、ほとんど全てのヨットマスターは定価超えのプレミア価格となりました。

しかしながらそんな中でも「まだ安く買えるロレックス」と言えるのが、Ref.168623です。

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Ref.168623は1999年~製造された直径33mmケースのボーイズヨットマスターで、小径とは言えイエローゴールドの華やかさが加わって、存在感が抜群の一本です。近年は時計業界全体で小径ケースが流行っていることもあり、このRef.168623も、男性からの支持も決して低くありません。

ブルーまたはホワイトの爽やかな文字盤カラーが、ヨットマスターらしさを強調しますね。なお、ヨットマスターに限らずイエローゴールドが素材として使われたモデルはインデックスや針にも同素材が使われるため、華やかな印象が増していると感じます。

搭載するムーブメントは小径用のCal.2235ですが、こちらも高精度かつ堅牢で、巻き上げ効率に優れる代物です。

そんなヨットマスター Ref.168623の相場感は、100万円前後~。
ただし、前述の通り流通量はそこまで多くありません。いつも中古市場に出回っているという個体ではないため、状態によっては高値になることも。近年のヨットマスター人気も手伝って、最も今後の相場感から目が離せない一本ともいえるでしょう。

オイスターパーペチュアル 116000

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スペック

素材:ステンレススティール×ゴールド

ケースサイズ:直径36㎜

文字盤色:ブラック、ブルー、スティール他

駆動方式:自動巻き

ムーブメント:Cal.3130

実勢相場:80万円台~90万円前後

ノンデイトゆえの手軽さや手の出しやすい価格帯から、ロレックスのエントリーモデルとしても人気のオイスターパーペチュアル。
防水性に先鞭をつけた「オイスターケース」および、両方向回転式ローターによって実用的な自動巻きを実現した「パーペチュアル機構」という、二つのロレックスの発明に名前をちなむコレクションとなっており、ベーシックとは言え「ロレックスらしさ」が詰まっていることが大きな特徴です。

また、デイトジャスト同様、オイスターパーペチュアルは長い歴史の中で豊富なバリエーション展開を行ってきました。
最近だと、2020年に登場したターコイズやキャンディピンク、コーラルレッド等に代表されるポップなカラーが話題ですが、さらに歴史を遡るとコンセントリックや飛びアラビア、シャンパン等、さらに多彩。こういった多彩な選択肢というのは、「人と被らない高級腕時計が欲しい」「自分の好みにマッチしたデザインを探している」といった方々には非常に刺さりますよね。

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さて、本稿でご紹介しているオイスターパーペチュアル Ref.116000というのは、2008年~2020年まで製造されたモデルです。ちなみに前述した、ポップな文字盤を湛えたRef.126000等と世代交代を果たした次第です。

最近まで製造されていたということもあり、外装状態も付属品の状態も大変良い個体が出回ります。
定番どころはブラックやシルバーですが、現在ではデイトナ 116519LNで採用されている人気のスティール文字盤や、ブラック文字盤にピンクのインデックスを備えたモデル、あるいはオシャレなレッドグレープ等々・・・様々なモデルが市場を飛び交っているのも嬉しいですね。

なお、搭載ムーブメントは何度かご紹介しているCal.3130となり、性能も申し分ありません。

実勢相場は付属品の状態やデザインにもよりますが、おおむね80万円台~90万円前後となっております。

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もっともオイスターパーペチュアルは現行を除き、多くのモデルが「まだ安く買えるロレックス」です。
年代によって雰囲気やデザインは大きく変わるので、色々探してみても面白いですよ!

オイスタークォーツ 17000、17013等

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スペック

素材:ステンレススティールまたはコンビ

ケースサイズ:直径35㎜

文字盤色:ブラック、シルバー、ブルー他

駆動方式:クォーツ

実勢相場:80万円台~90万円台

最後に「まだ安く買えるロレックス」としてご紹介したいのは、1970年代~2000年頃にかけて製造されていた、オイスタークォーツです!

ロレックスというと、自動巻きのイメージが強いですよね。
自動巻きは機械式に分類される時計の駆動方式で、ゼンマイがほどける力が原動力です。対してクォーツ式は電池が原動力となっており、水晶振動子に電圧印可することで得られる高速振動で正確な時間を刻むという仕組みとなっています。
クォーツ式腕時計は1969年にセイコーが初めて市販化に成功したことで急速に市場シェアを拡大していき、一方で1970年代~1980年代にかけて、伝統的な機械式腕時計産業が衰退するといった現象が見受けられました。この時代をクォーツショックなどと呼ぶことがあります。

こういった環境下で老舗時計ブランドはただ手をこまねいていたわけではなく、様々な施策が試行錯誤されていたことが見て取れます。ロレックスのオイスタークォーツも、そんな試行錯誤のうちの一つだったのでしょう。

オイスタークォーツはその名の通り電池駆動のクォーツ式となりましたが、さらに既存のロレックスとは大きく異なる、エッジの効いたフォルムをしていたことも大きな特徴です。
これは、オイスタークォーツがリリースされた当時に誕生した、ラグジュアリースポーツウォッチのテイストが入っていたと思われます。

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ラグジュアリースポーツウォッチとは、1972年にオーデマピゲから打ち出されたロイヤルオークに端を発する、時計業界の一大ジャンルです。
決まった定義というのはありませんが、ケースとブレスレットが一体型になったような優美なフォルムを有していること。また薄型であること。さらにはラグジュアリーメゾンが手掛けるスポーツウォッチらしく、丁寧なポリッシュ仕上げ・サテン仕上げのコンビネーションによって、高級機らしい立体感や風格を醸し出していることを特徴としています。

オイスタークォーツもまた、そんなラグジュアリースポーツウォッチらしさを十二分に備えます。
一方でロレックスらしい堅牢性や優れた実用性も健在で、「まだ安く買える」ということからも、気軽に始められるラグスポではないでしょうか(なんせ、オーデマピゲのロイヤルオークやパテックフィリップのノーチラスなどといった代表どころは、目の飛び出るような実勢相場を記録しているのですから)。

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なお、オイスタークォーツには大まかに分けて二種類あります。
リファレンスが「170」から始まるオイスタークォーツ デイトと、「190」から始まるオイスタークォーツ デイデイトです。

オイスタークォーツ デイデイトの方は流通量がそう多くはないのですが、オイスタークォーツ デイトは比較的よく出回ります。
価格帯も80万円台~90万円台と、「まだ安く買えるロレックス」の一つ。一方でほんの数年前は30万円台で購入できたことを鑑みれば、その値上がり率は凄まじいと言えます。
ラグジュアリースポーツウォッチ人気も後押しして、相場は右肩上がりに上昇しているモデルでもありますので、欲しい方はお早めにどうぞ!

まとめ

まだ安く買えるロレックスを10選ご紹介いたしました。
200万円、300万円が当たり前になりつつあるロレックス相場ですが、探せばお得に入手できる個体があることをお伝えできたでしょうか。
文中でも述べているように、「まだ安く買える」とは言え、年々ジワジワ値上がりしているモデルがほとんどです。今後の動向に、要注目です。